コーヒーとトネリコ

いいアイデアだと思って書いてみたら、先週上司に説教された内容そのままだった。めげずに生きていきたい

分厚いA5ノートを求めて(ポストモレスキン編)

ポストモレスキンはどれだ、どれなんだ!?

前回は、世の中の不条理さに傷ついて部屋の隅でしゃがみこんでしくしく泣いていたところをモレスキンに救われましたが、法外の料金を請求されたところまで書きました。

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モレスキンは高い。

いまAmazonアマゾンで見てみると、だいたい2700円から3000円くらいする。10年前もそんな感じでした。たまにAmazonで安売りしているくらい。

それから紙質。とにかく一箇所にまとめて情報を記入する、というスタイルだと、筆圧がかからないほうが手が疲れません。油性ボールペンとかはだめ。鉛筆は削るのが面倒くさい。シャーペンはなぜか絶対芯がポキポキ折れる、柔らかい芯を使うと擦れて汚れやすい。ジェルとか水性ボールペン、ローラーボール、あるいは万年筆がよろしいのですが、ご存知の通りモレスキンは万年筆では裏抜けします。紙質はよろしくない。

しばらくモレスキン+トラディオ(プラスチックペン先の万年筆っぽいペン)という組み合わせを続けていました。トラディオはいいですよ。筆圧のタッチが出せるので、水性ゲルインクボールペンに飽きたという人は使ってみてください。リンク貼っておきます。

ぺんてる 水性ペン トラディオ プラマン TRJ50-A 黒

ぺんてる 水性ペン トラディオ プラマン TRJ50-A 黒

  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: オフィス用品

ただしばらく同じ組み合わせが続くと、人間飽きてくるんですね。飽きてきました。もう飽きた。それでモレスキンに代わるノートを探す旅に出ました。日本や世界で、同じ目的の旅に出た人がたくさんいたと思います。コロナ前まではJTB近畿日本ツーリストがツアー組んでいたと思います。嘘です。いまでは旅行代理店を使わずに、みんなネットで予約するようになっているので。

要するに、もうちょっと安くて、同じような機能を持つノートはないだろうか。そう考えていろいろなノートを試した時期があったということです。あったのです。

では、どんなノートがいいのか。改めて条件を書き出してみましょう。

条件

  1. A5サイズ
  2. ページ数多い
  3. 方眼もしくはドット方眼
  4. 綴じノート
  5. 紙質がそこそこいい
  6. できればハードカバー
  7. ゴムバンドとか、なんかかっちょいい

こんな感じの条件ですね。

目次

キャンパスノート

「大人キャンパス」ならアリ

まず定番のキャンパスノート。ノートといえばキャンパスです。キャンパスノートにもA5サイズのラインナップはありますが、ページ数が少ないです。A5サイズだと一番多くて70枚140ページ。しかも方眼はない。大人キャンパスというのが今出ていて、それだとA5、80枚160ページ、5ミリ方眼で310円だという。10年前はそんなのなかったなあ。160ページでいいや、という人にはこれがファーストチョイスなのではないでしょうか。

総評

  • ページ数:✕(160)
  • 方眼:◯
  • 綴じノート:◯
  • ハードカバー:×
  • かっちょいい:△
  • 価格:◎

ノーブルノー

書きやすくって味がある

ライフのノーブルノートは、結構いい線いっていると思います。あくまで自分の中の線ですけれど。ページ数は100枚200ページある。紙質は全く問題ない。キャンパスノートよりはお値段高くなりますけれど、モレスキンほどではありません。

総評

  • ページ数:△(200)
  • 方眼:◯
  • 綴じノート:◯
  • ハードカバー:×
  • かっちょいい:◯
  • 価格:◯

極東FOBCOOP Wリングノート

リング綴じでよければオススメ

硬質の半透明のプラスチックの表紙カバーから、シルバーの表紙が透けて見えるおしゃれノート。ドット方眼がほとんどなかった時代に、麻布のFOBCOOPのお店で見つけて買ったノートです。たぶん買ったのはモレスキンより先。

薄いドット方眼の使い勝手の良さに開眼したノートです。角が面取りしてあるノートも当時はほとんどなかったので、イケてる感をビシビシ感じました。日本のノートメーカーのノートなので、紙質は申し分ありません。

ただこれ、Wリングノートなんですよね。使っているうちに「リングうっとおしい」ことに気づいてしまったノートでもあります。ページ数は80枚160ページ。今見ると全然物足りない。

総評

  • ページ数:✕(160)
  • 方眼:◯
  • 綴じノート:×
  • ハードカバー:◯
  • かっちょいい:◯
  • 価格:◎

ミドリMDノート

素材は良いが活かし方がわかりません

とにかく書き心地にこだわったノート。書き心地はいいです。ただ使い勝手がいまいち合わなかったかな。1冊だけ買いました。

紙質はまったく問題なし、180度パタンと開いて書きやすい、しおり紐もついている。

ただこだわりすぎてカバーはパラフィン紙。寒冷紗むき出し。寒冷紗って、ノートの背表紙の補強に使う布みたいな紙です。だからノートカバーに入れて使うことが前提のノートなのかな、という気がします。角もラウンドカットされていないので、むき出しのまま使うのはちょっと。あくまでも素材としてのノートなのではないでしょうか。

ページ数が176ページと、ちょっと物足りなかったのもありますね。これが240ページくらいあったら、カバーつけてリピートする可能性はあった。そんなポテンシャルはあるノートです。

総評

  • ページ数:✕(176)
  • 方眼:◯
  • 綴じノート:◯
  • ハードカバー:✕
  • かっちょいい:△
  • 価格:◯

ロディア WEBNOTEBOOK

文房具界のオシャレ番長。増ページ希望

2000年くらいにおしゃれ文具ブームが日本(というか私)にやってきました。そこで(私の中での)知名度を上げたのがロディア。メモパッドとかはそれまでも使っていたのですが、A5サイズのドンズバのノートを出してくれました。

値段はモレスキンと変わりません。変わりませんが紙質は段違い。クレールフォンテーヌとかの紙です。ロディアのメモパッドの紙とだいたい同じ。あれがノートになった感じです。ドット方眼で表紙裏にポケットがついている点も、ゴムバンドがついている点もモレスキンと同等。これは完全に上位互換ではないか?そう思った時期が僕にもありました。Amazonの購入履歴を見ると3冊くらい買っています。Amazon以外で買った可能性も考慮すると、いままで5冊くらいは使っていると思います。

あえて粗さがしをすると、合皮の表紙が厚ぼったいのに加えて、紙質がいいので紙が厚い。坪量は90g/㎡。だから、見た目の感じよりページ数が意外と少ない。モレスキン240ページに対してWEBNOTEBOOK192ページ。そこが残念なところです。使い続けなかったのは、ページ数に不満があったからかなあ。たぶんそうだと思います。

総評

  • ページ数:△(192)
  • 方眼:◯
  • 綴じノート:◯
  • ハードカバー:◯
  • かっちょいい:◎
  • 価格:△

ロイヒトトゥルム1917

ノート界のパウンド・フォー・パウンド

第二外国語でドイツ語を履修していないと読めないブランド名。表参道ヒルズの地下にあるおしゃれ文房具屋で購入した記憶があります。

これは完全にモレスキン上位互換と言っていいでしょう。世間でもそういう扱われ方をしていると思います。子どもを通園バスで送り出したあとの幼稚園ママたちの立ち話でも、これを否定する説は出ていないと思います。

ページごとにノンブル(ページ番号)が振ってあって、目次ページが一ページ用意されていたり、後ろの方のページが切り取りできるようにミシン目が入っていたりしたほうが気がします。

紙質はインクプルーフとうたっているだけあってまったく問題なし。ロディアの90gには及びませんが、こちらも80g/sqmと似たような坪量になっております。ページ数もモレスキンよりちょっとだけ多い。

ただしお値段が高くなっております。3000円くらい。モレスキンの1割増しくらい。

まあ完璧ですよね。最近はバレットジャーナルの公式ノートにもなっているし。カラバリも増えているし。俺が応援しなくてもいいんじゃないの、みたいな、応援していたバンドがメジャーになったのでもう聞かなくなったみたいな、そんな関係です。あとはちょっとスキがなさすぎて適当なこと書いたら叱られるみたいな印象があります。さすがドイツ製。メルセデスの運転席に座ると、シートが「コレが正しいドライビングポジションだ」と座り方を指定してくるような印象があるって誰かが書いていましたけれど、そんな感じですね。

総評

  • ページ数:◯(249)
  • 方眼:◯
  • 綴じノート:◯
  • ハードカバー:◯
  • かっちょいい:◎
  • 価格:✕

ニトムズ STALOGY 365DaysNotebook A5

ページ数こそ正義、という人に

しばらくこのノートをリピートしていました。定番になったということです。Amazonの購入履歴を見ると5冊買っています。それ以外での購入を含めると7〜8冊は使った計算になります。

このノートを使い始めたきっかけは、「編集者の多彩な使い方に応えられるように設計されたノート」という謳い文句に惹かれたからです。自分の仕事が編集者だったので、これは買わなあかん。そう感じて、たぶん神保町の文房堂の地下一階あたりで購入したのだと思います。

ちなみにこのノートはソフトカバーで、モレスキンのようなゴムバンドはついておりません。見た目がかっちょいいかというと、最近はカラーバリエーション展開しているようなのでそうでもないかもしれませんが、昔は黒しかありませんでした。「黒革の手帖」というドラマがありましたが、あんな感じの、ちょっと重厚感のある、黒に金色の箔押ししている感じで、垢抜けてるというよりは質実剛健路線。ルックスのイメージはいわゆる仏壇万年筆に近いものがあります。黒と金の組み合わせですね。

にもかかわらずなぜリピートするようになったのか。

まずページ数が多い。368ページあります。モレスキンの1.5倍以上。それだけ買い替える回数が減るし、情報が集約されるのでGOOD。とはいえあまり分厚くて取り回しが悪くてもいけません。その点このノートは、紙がとても薄い。手帳用の用紙を使っているとのことで、暑さは14ミリ。Amazonベーシックが192ページで15.2ミリですから、ソフトカバーとハードカバーの違いはあれど、ページ数が倍になっているのにもかかわらず薄くなっています。

そんなに薄い紙だと、裏抜けするんじゃないの?と思う方も多いかもしれませんが、結構いけます。ドボドボにインクフローの良い万年筆を使うならともかく、普通のフローだったら大丈夫。LAMY SAFARIの中字を使っていましたが、問題ありませんでした。

で、このノートはソフトカバーなんですが、綴じがいい感じでペッタリ180度開きます。180度どころか、折り返して畳んだ状態でも筆記可能。スタンディングでの筆記にも、ちょっと使い方は乱暴になりますが対応できます。

ちなみにすごく小さい文字で欄外とかノドに日付や曜日や時間が印刷されていて、そこに先を引くだけで日時が記録できるという機能もありますが、一回も使ったことありません。小さい上に印刷が薄いので読めないのです。若い人なら判読可能かもしれない。

価格は2000円。角がラウンドカットされていて、使い込んでもページの端が見苦しくめくれ上がったりしないのもいいところです。そうか今はカラバリ出ているのか。なるほどー。いいですね。

ハードカバーにバンドをつけて、というモレスキンAmazonロディアやロイヒトトゥルムなどとは違うアプローチですが、なるほどこういう路線があったのか思わされる1冊です。ページ数多いノートがほしくてたまらんという人はぜひ一回使ってみてください。おすすめ度は高いです。

ただソフトカバーなので、バッグにポンと放り込むとページがめくれたり折れたりする可能性があるので、持ち運びするときにはちゃんと居場所を作ってあげて、ていねいに収納する必要があります。このノートだけが入る収納スペースを決めておくといいでしょう。

総評

  • ページ数:◎(368)
  • 方眼:◯
  • 綴じノート:◯
  • ハードカバー:✕
  • かっちょいい:△
  • 価格:◯

Amazonベーシック

消費財としてのプアマンズ・モレスキン

Amazonが出したジェネリックモレスキン。値段は時期によって違うみたいだけれど、自分は1冊900円で買いました。2冊まとめ買いしてしまった。

紙質は安っぽいですが、モレスキンのように裏抜けすることはありません。まあミニマム水準。

造作は及第点以下で、使っていると背表紙の上下がだんだんひび割れてきます。表紙の角が擦り切れるのも速い。本棚への抜き差しを繰り返していると、表紙表面も擦り切れてきます。

ページ数はモレスキンより少ない96枚192ページ。

評価は結構微妙なところで、使い始めたばかりのときは「これで全然いいじゃん」と思っていたのですが、あちこち擦り切れていったり、ページをめくる感じがあまり気持ちよくなかったりで、ちょっと評価下がっていきました。本当に「安かろう悪かろう」を絶妙なところでクリアしている感じ。この仕様で日本メーカーに作らせて1500円だったらもっといいものできるとは思うのですが、それってモレスキンのデッドコピーにしかならないですよね。

値段は安いんですけれど、そのぶん「所持したい」「取っておきたい」「あとで読み返してニヤニヤしたい」という点が省かれています。そんなノートです。1冊めは使い切りました。2冊めは仕事用に使っています。仕事用なので、使い切ったら捨てます。

総評

  • ページ数:△(192)
  • 方眼:◯
  • 綴じノート:◯
  • ハードカバー:◯
  • かっちょいい:✕
  • 価格:◯

SAKAEテクニカルペーパー ノート

ステータスを紙質に全振りした結果をごらんください

現在使用中のノート。トモエリバーという、手帳用のいい感じの紙を使っているとのことで購入。ほぼ日手帳にも使われていて、評判がいい紙なので、一度使ってみたかった。

ほぼ日手帳は、ページ数多くてサイズも悪くないのですが、日記なので日付がそれぞれ入っているんですよね。それが自分の使い方とは合わなかったので、買ったことありません。いまは違ったタイプの商品がラインアップされているのかもしれないけれど。

ただ去年の時点ではAmazonで扱っていなくて、直販サイトから購入しました。今はAmazonでも取り扱っています。ページ数は368ですが、紙が薄いのでノート自体が薄い! ニトムズのSTALOGYより薄い。そして紙質はGOOD!なんでこんなに薄いのに裏写りしないんだろう。不思議だ。

薄いゆえに、書き込んでいくとインクを吸い込んだりして若干よれてきます。まだ記入していないページ度記入後のページのよれ感の違いがすごい。でもそれがいい。

あ、単独でもこのノートについて書いていました。

since1972.hatenablog.com

ただ、本文用紙以外に魅力的な点があまりないんです。表紙は厚紙に補強で布を貼ったような紙質で、柔軟性はなし。さらにそこに透明のビニールカバーがかかっています。自分は、購入した商品に透明のビニールカバーがかかっていたら、すぐに取り外してゴミ箱に捨てる派です。何から守ろうとしているんだろう。汚れから表紙を守りたいのか。ではなんでほかのノートにはビニールカバーがついていないのか。いやそういうカバーやたらつけたい人がいるのは知っています。自分の先輩が学生時代に住んでいてアパートは、畳敷きの上にフローリングっぽく見えるウッドカーペット的なものを敷いて、その上にカーペットをさらに敷いて、さらにこたつを置いていました。地層か!十二単か!

書店で本を買ったときにつけてくれるカバーも嫌いです。自分で買うときは絶対頼まない。紙の無駄じゃないですか。

カバーがいや、というわけではなくて、読むとき用のカバーはあるので自分のをつけます、ということです。ちなみにハヤカワ文庫は10年前くらいに文庫のサイズが大きくなって、自分の持っていた文庫本カバーが使えなくなりました。あれはよくないよな。早川書房の経営陣の判断ミスではないだろうか。社内ではどういう結論が出ているのだろうか。そもそもなんで大きくしたんだろう。

あと本当言うと書籍の帯も嫌い。すぐグシャグシャになるから、ついていたら取り外して折りたたんで本の中に挟み込んでおきます。そんな過剰包装みたいなことをなぜしたいのか。

で、ノートの話に戻ると、紙が薄いのに端っこがピッタリ直角なので、触るとすぐページがめくれてしまう。触った感覚も良くないので、カッターで自分で面取りしました。かなりガタガタになってしまいましたが、ぴしっとエッジが立っているよりましだ。もしかしたらぴしっとエッジが立っている→めくれたらみっともない→カバーを用意しよう、という流れだったのかもしれないけれど、なぜ、めくれたらみっともない→エッジがたたないようにしよう、という解決にならないのか。

まじ紙質は最高なんですよ。何回も意味なくめくりたくなるくらい。厚さなんて12.7ミリですよ。2分の1インチだ。ニトムズのSTALOGYより薄い。スペック的に優れているけれど活用方法が見つけづらいという意味では、ミドリのMDノートと同じグループに入ると思います。「2人ずつ組になってー」っていわれたらお前ら絶対いっしょになるだろ、みたいな。修学旅行一緒の班だよね君たち絶対。

総評

  • ページ数:◎(368)
  • 方眼:◯
  • 綴じノート:◯
  • ハードカバー:△
  • かっちょいい:✕
  • 価格:✕