コーヒーとトネリコ

いいアイデアだと思って書いてみたら、先週上司に説教された内容そのままだった。めげずに生きていきたい

Papershootのレビュー(台湾製自作紙製デジカメ)

CASIO EXILIM S-20の記憶

昔、カシオのエクシリムというデジカメを使っていた。先輩が使っていたのを見て、これっていい感じじゃんと思って買いました。

どんなデジカメかというと、クレジットカード以下のサイズで薄くって、サッと出してパッと取れる。パッと撮れるを実現するために、パンフォーカス。オートフォーカスだと、ピント合わせるのに時間がかかるからね。ただパンフォーカス=全部にピントがあっている、というより、どこにもピントがあってない、ちょっと抜けた感じの写真が撮れた。

素数は最大1600×1200。今どきのデジカメやスマホのカメラからすると、サムネイルか?っていうくらい少ない。でもって色の再現度はイマイチ。

こんな感じの写真が撮れました。

でも気に入って、壊れるまでずっと使っていました。なんでかっていうと、やっぱりその小ささとサッと撮影できる点が大きいと思います。

今どきは誰でもスマホを持っていて、エクシリムより全然きれいな写真が撮れます。でも、撮影したいと思ったときに、スマホを取り出して、ホーム画面を開き、カメラアプリを選んで、構えて撮影する。撮りたいと思ったときと撮影するまでの手間がちょっと多いんですよね。

それで、サッと出してサッと取れるデジカメはないかと探しました。あれから20年くらい経っているからさすがに何かしらあるのではないか。

小さくてパッと出してサッと撮れるデジカメがほしい

あんまりありません。ほとんどない。まったくない。

一番ニーズに近いのはケンコートキナーのお散歩デジカメですが、エクシリムほど小さくない。最新型はデジタルズームやらオートフォーカスもついていて、ちょっとリッチ方向によっている。

あとこんなトイデジカメみたいなやつもある。これはこれで面白そうだけれど、画質的にちょっとニーズに合わなかったです。

違うんだよなー。俺がほしいのは、画角がだいたい35ミリ換算で24~35ミリくらいで、、面倒くさいオートフォーカスはなくていいからぱっと出せてパッと撮れる。解像度はそんなに求めない。画質もそこそこでいいので、撮りたいときに撮れることを最優先しつつ、かつサイズ的にはクレジットカードくらいの、上着のポケットに入れておいてもいいし、ジーンズのパックポケットに入れておいてもいい、そんなデジカメなのです。

残念なことに、そんな製品はない。少なくとも日本のメーカーは作っていない。うちひしがれていた僕に、どっかのネット記事が心のドアをノックしました。台湾でそんなの作っているよ。

それがPaperShootです。

DIY紙製デジカメ=PaperShoot

www.papershoot.com

これはどっちかっていうと、「紙製自作デジカメ」というものなのです。レンズ部分を除けば結構薄くて、パンフォーカスで画素数は4Kくらいある。かつ外装が紙製で色々選べて、まあ今時の言葉で表現するとエモい絵面が撮影できる、ちょっとエモいデザインのデジカメです。

いいんじゃないの?ということで早速オーダー。

外装は紙だから、印刷するだけで色々バリエーション展開できる。私は80年代風のカセットテープ柄を選びました。

PaperShoot開封&組み立て

それでもって5日くらいで台湾から到着。早い!ちなみに値段は15000円くらいかな?

カメラ以外に、マイクロSDと充電対応の単4電池2本を用意する必要があります。USB-AtoCのケーブルは同梱されています。

そのほかの内容物は、カメラ基盤、レンズ部分、紙製の外装、紙製のネックストラップ、固定用のボルト&ナット。ボルト&ナットは真鍮製と透明アクリルの2種が入っています。

組み立ては簡単。基盤を挟むように紙製の外装を折り曲げて、ボルトで固定するだけ。硬貨があればボルトを固定できるので、工具も不要です。ただ組立後にマイクロSDの出し入れをする場合、スロットがちょっと奥まったところにあるので、大きめのマイナスドライバーがあると便利ではないかと思います。

で、撮影。ボタンは本体前面にさりげなく配置。前から後ろに押すことになるので、押すタイミングで本体がぶれます。

押すと「ピピッ」という音がしてインジケーターが光ってから、1秒後くらいにシャッター音がなります。どのタイミングで画像を取得してるのかは不明ですが、たぶんシャッター音のタイミングかな。1秒待たずにボタンを押すと、「ピピッ」音がなくシャッター音だけ鳴って画像が撮影されます。あとUSBタイプCで充電とデータの移動が可能です。

レンズ部分は、レンズというより光学センサーといったほうが適切と思われる感じ。画質を求めてはあかん。そして液晶ディスプレイとかはなく、ビューファインダーは本体に空けられた長方形の穴です。これもまあそんなに画角を詰めたりするカメラではないので、いいのではないでしょうか。被写体に合わせた眼球のピントそのままで撮影できるのは、今どきのスマホカメラと比較するとむしろメリットなのではないかと感じます。特に老眼が進んでいると、手元のスマホ画面全然見えないからね。

今回は磁石でくっつくレンズキャップも買いました。これはあったほうがいいな。で、お散歩カメラとして重宝しています。最初は撮影するたびにパソコンに取り込んで内容確認していましたが、最近はもう撮りっぱなし。カード容量がいっぱいになるまで、とりあえずバシバシ撮影しまくりたいと思います。そんな適当な、ライフログ的な、日常のスナップ的なアイテムです。そういうのが欲しい人にはとてもいいかもしれない。

そこそこ画素数はあるので、情報を記録する的な役割もなんとかこなします。ただ最初は日時設定が狂っているので、専用アプリでWINかMAC経由で設定する必要があります。そこは面倒だな。

願わくば、レンズ部分がもうちょっと引っ込んでいて、全体が薄かったら良かったのに、と思います。本当は、今どきのスマホのカメラ周りだけ引っこ抜いて、薄型デジカメに仕立てたアイテムがほしい。ガワはかつてのエクシリムでいいので、中身だけアップデートしてほしい。そんなデジカメがあったら買います。金払うし。

でもそれがPaperShootのいい感じポイントを否定するわけではありません。これはお散歩デジカメかつ、いい感じの外観を満たしている点ではいまのところベスト。買って楽しい作って楽しい撮って楽しい。デジカメの楽しさを、再認識したアイテムであることは間違いありません。

こんな写真が撮れます

サイズは4896x3672。

オリジナル撮りっぱなしはこちら。

ここからは横800にリサイズした写真です。

パッと出せてサッと撮れるのはOK。 でもエクシリムよりかさ張る。画質は20年前レベル。画素数だけ向上している。 そんなカメラが欲しい人にはおすすめです。