ハワイの風はなぜ心地よいのか
- ハワイの気候はなぜ世界一気持ちがいいのか
- オープンデータから紐解いてみよう
- 日本と比較してみよう
- インターネットの集合知に頼ろう
- 「なぜワイキキの風は心地いいか」に軸をずらしてみよう
- 結論を出してみよう
ハワイの気候はなぜ世界一気持ちがいいのか
世界中の国を回ったわけでもなく、こんなことを言い切ってしまうのはちょっと無理があるかもしれませんが、ハワイに行ったことがある人はこう感じているのではないかと思います。
あ、ちなみにハワイに行ったことありますか? 私は一回だけ行ったことがありますが、たった一回で「ここってなんで気持ちがいいんだろう」と、夕方にシティビューのホテルの狭いベランダに出した椅子の上で考えたのでした。なんでこんなに風が気持ちいいんだろう。これで海が見えたら最高じゃん。ていうことは目をつぶっていたらここでも実質最高じゃん。日本でも、ハワイの風とか気温とか湿度とかの条件を再現できるとすると、目をつぶっていたら実質ハワイじゃん。
オープンデータから紐解いてみよう
まずは、そんなハワイの気候がどんなものか、オープンデータから探っていきます。
アメリカの気象庁のデータをググりましょう。アメリカの気象庁がどこにあるかというと、ワシントンDCの地下鉄竹橋駅直結ではないでしょうか。
先に「ハワイの気候」という英語のWIKIがヒットしました。竹橋駅付近には気象庁見つからず。
ここによると
- 「熱帯気候だけど、場所によっていろいろ分かれるよ」
- 「雨が降るのは10月から4月で、5月から9月は乾季だよ」
- 「冬には山で雪が降るよ」
- 「貿易風の影響が大きいよ」
- 「年間を通じた変化が少ないよ」
などと書いてあります。
あと気温は、年間通じてだいたい20~30℃の間。夏でも日中の最高気温は31℃くらいだから、現在の東京都比較すると暑くない。もちろん冬は寒くない。
降水量は、年間平均は417ミリ。6~7月が少なくて3月とか11月に雨が降る。
湿度は年間平均67.9%。64~73%くらいで推移しています。
あと晴れの日が多いのも特徴らしい。日照率平均68%だって。
日本と比較してみよう
日本でもいろいろだから、ここは日本列島で一番気候が良いと言われている伊豆大島を比較対象として取り上げます。島だしね。
うーん全然違うな。伊豆大島はどちらかといえば涼しい場所だということがわかりました。8月の平均最高気温が29.2℃、最低気温が23.1℃。気温だけ見ると夏の伊豆大島もなかなかいけているのではないか。しかし圧倒的に降水量が異なりますね。伊豆大島はハワイの10~20倍くらい雨が降る。ハワイの8月が21ミリなのに対して伊豆大島は231ミリ。
瀬戸内海沿いは、南からの湿気は四国山地で雨になり、北からの湿気は中国山地で雨になるので、海沿いにも関わらず比較的乾燥していて過ごしやすいという噂を聞きました。正確にはヤフー知恵袋で誰かが答えていました。ということで小豆島の気候を見ていきましょう。
ハワイっぽいのは7~8月かな。気温は23~30℃くらい。ところが降水量はハワイより多い。100~150ミリくらい降っちゃう。これはあかん。ちなみに年間の平均湿度は71%。ハワイは67.9%。ハワイは夏の湿度が65%前後で低いんだよな。小豆島だけじゃなくて日本は夏が湿度高くて冬が低い。
ちなみに日本で一番乾燥しているのが東京都で、平均湿度62%なんだとか。ハワイより乾燥しているのか。平均することで物事の真実が見えなくなっている良い例ですね。人間が持っている睾丸の数は平均1個っていう話がありますが、そんな人間は(ほとんど)いない。
インターネットの集合知に頼ろう
なんか調べていてもあまりいい結果が生み出せそうにないので、インターネットの集合知を活用しましょう。知恵袋とかなんとか小町とかです。
以下ハワイの代わりとしてノミネートされた場所
この中で行ったことがあるのは台湾最南端だけど、気候に関してはハワイ感なかったなー。サーファー目線だと波が似ているらしいですね。
南カリフォルニアの年間を通じた気候の変化のなさはハワイっぽいけれど、ちょっと気温が低いんですよね。
ドバイは楽しいのかな?ちょっとよくわからない。
ただ、タヒチとかニューカレドニアとかカナリア諸島とか、ハワイより手軽な感じがしない。私がほしいのは手軽なハワイの代替であって、ハワイより高級だったり遠かったりしたら意味がない。
あ、ただしオーストラリアとかは時差が少ないから、そこはメリットだな。季節限定だと10月のケアンズとかか。夏は雨が多いからダメ、冬はちょっと寒いから春のケアンズ。
あとフィジーも結構ハワイに近い気候という情報を小耳に挟みました。南半球なのですが、夏に雨が多いので行くなら冬。つまり6~9月。避暑地的な感じで。
「なぜワイキキの風は心地いいか」に軸をずらしてみよう
気候データから引っ張ってくるのは限界がありますね。見えてきました限界が。そこで「ハワイの気候」という大きなテーマから、「ワイキキに吹く風」という小さなテーマにアプローチしてみようと思います。
ハワイで人気のビーチといえばワイキキですが、ワイキキはオアフ島の南岸にあって、北東から吹いてくる貿易風は、北西~南東にある山脈に寄って遮られていています。湿気を帯びた貿易風は山脈に沿って上昇し、雲を作り、雨を降らせて、湿気がなくなった乾いた風たワイキキに吹き下ろしてきます。という条件もとても大切です。
日本では海辺に行くと海藻の腐った匂いが漂っていますが、ハワイのワイキキビーチ付近にはそれがないかもしれない。遠浅で海藻が繁茂する条件が揃っていないので、日本で言うところの海の匂いがしない。これも爽やかな印象を演出する一因なのかもしれません。
つうことで、なんだか見えてきました。
- 貿易風を遮る山脈が風上にあるので、風が比較的乾燥している
- 風下は海でビーチなので海藻臭くない
こういった条件を満たすのはハワイ諸島含めて地球上に数箇所しかない。なかでもハワイのオアフ島南岸が一番条件にマッチしている。ワイキキの風が世界一気持ちいいのは上記の理由によるものである。
結論を出してみよう
- 海に囲まれた孤島である
- 緯度は赤道から南北回帰線までで、年間通じての日照量の変化が少ない
- 上記2点により年間の気温変化が少ない
- 貿易風を遮る山脈が風上にある
- 風下は海でビーチなので海藻臭くない
これがハワイの気候が良くてワイキキに吹く風が世界一心地よい理由です。
我々がワイキキのホテルの狭い部屋にちょっとうんざりしてベランダに出て、それでもシティビューとかガーデンビューとか、はたまたマウンテンビューとかいう言葉でごまかされた眺望にちょっと苛つきながらも、狭いベランダにチェアを出して腰を下ろして、18時くらいの夕焼けがホテルのどっかではきれいに見えることを想像しながらイヤホンを耳にねじ込んで、なんかジャック・ジョンソンとか聞きながら肌を撫でる風の湿度を感じるのであれば、それは5分間限定で人類に与えられた心地よさベストテンの第一位なんです。
それ以上はない。もう地球という惑星という前提からして乗り越えることができない。この順位が変動するとすれば、大陸大移動を経てなんかいまのところまったく無名の村がワイキキ的な地理的条件を勝ち得た先にしか存在しない。
なんだろうそんな結論になりました。結論出ないかと思っていたけれど。貿易風+山脈+海の中の島々、という条件から出てくる最適解はワイキキビーチだったってことです。
南半球の貿易風+島々条件で当てはまる場所はあるけれど、山脈がない。季節を限定するなら、数値的に春のケアンズとかポートダグラスはいい線いっているけれど、心地よい風は望めない。
日付変更線が日本とハワイの間にあるからいけないのではないか。
日付変更線をハワイとカリフォルニアの間において、時差マイナス16時間をプラス8時間とか、そんな感じにしたらどうでしょうか。どうにもならないかな。
ハワイに一回しか行ったことがない私による考察はここまでです。ハワイに足繁く通っている方の考察とか論考を聞きたい読みたい。なんかあったら教えてください。