コーヒーとトネリコ

いいアイデアだと思って書いてみたら、先週上司に説教された内容そのままだった。めげずに生きていきたい

日本には進級できない河川が7000本ある

皆さんはなにか資格をお持ちですか。

私は英検三級を持っています。中学生の時に取りました。

私が学生の頃にはなかったのですが、いまは英検準二級なんてのもあるそうです。

「準」をつけて級の数を増やそうという魂胆からは、ボクシングの階級制度の変遷を思い出させます。

タイトルマッチは視聴率がいい

タイトルマッチを増やそう

タイトルが足らない

●●級に対して、ちょっと軽いジュニア●●級を創設

「ジュニア」ってちょっと弱そう、バッタモン臭い

ちょっと重いスーパー●●級に改称

そのうち英検スーパー三級なんてのができるのかもしれません。英検4級から英検スーパー2級まで取得すると、6階級制覇ということになります。

川もランク分けされている

級でランク分けされるのは、人間だけではありません。

日本の川は、級でランク分けされています。一級河川二級河川というやつです。

子どものころ、疑問だったのが、小学校の前を流れる川が「一級河川」だったことです。

そんなに大きな川ではありません。流れは絶えないけれど、そんなに深いわけでもなく、流れから頭を出している石を伝って両岸を行き来することもできました。

そんな河川が、なぜ一級なのか。

小学校高学年になって、日本の地理を習うようになると、その疑問はますます大きくなります。

信濃川利根川一級河川。なのに、なぜ教科書に出ないような小学校の前のしょうもない川も一級なのだろうか。

いったい誰がランク付けしているのか。別に川は「河川検定」を受験したわけではないと思うんです。小学校の前の川は一級だったけれど、ほかの二級の川は何かを基準に「あなたは二級ですね」と決められているとしたら、河川のプライドを大いに傷つけるのではないでしょうか。そして準一級河川はあるのだろうか。スーパー二級とかはどうでしょうか。

日本の河川ヒエラルキーは逆三角形

そこでググってわかった事実は、

一級河川の数:約14,000 .二級河川の数:約7000

一級のほうが多いじゃねえか! 

もう我慢ならん。たぶん一級河川は、コネとかそんなのでいい思いをしていて、そんな一級河川を虐げられた二級河川が影で支えているに違いない。

一級河川二級河川のおよそ倍あります。多数の老人を少数の若者で支えようとする日本の人口構造と相似形になっているこの問題を、いま解決しなくていつ解決するのだ!

ということでこちらが一級河川の定義です。たぶん寄付金の額とかが関係しているんだろうな……。

一級河川) 第四条 この法律において「一級河川」とは、国土保全上又は国民経済上特に重要な水系で政令で指定したものに係る河川(公共の水流及び水面をいう。以下同じ。)で国土交通大臣が指定したものをいう。

国土交通大臣が指定ね。はっ。そんなのあれですよね形骸化した制度にしか過ぎませんよね。まあひらたくいうと

  • 複数の都道府県にまたがる川は一級
  • 都道府県からはみ出ないやつは二級

という感じらしいんです。

私の小学校の前の川は、どっかで県境を超えていたんでしょうか……。わからないでもないな……。

でもそれだったら、北海道と沖縄には一級河川は存在しないことになりますよね。

どっちも他の都府県と接していないから。

たしかに沖縄には一級河川は存在しない。これは沖縄県のホームページにも書いてあるので間違いありません。

結局まじやばい川が一級。一見おとなしそうでも

ところが。

北海道には、一級河川13水系1,129河川と、二級河川230水系467河川があります(令和3年4月30日現在)。

おいおいめっちゃたくさんあるんじゃないかよ。

ということはですよ、「都道府県にまたがるまたがらない」は二次的な要素で、

  • 結構大きくてやばい川と、そこにつながる川は一級
  • そういうやつはと府県境を超えることが多いので国土交通大臣が管轄
  • そうじゃないやつはそれぞれの知事が管轄してね

つうことらしいです。

まあ、二級河川一級河川目指して塾に通っていたりしていないということがわかっただけでも収穫があったということにさせていただきます。進級できずに取り残されている川が7000本あるわけではありません。記事タイトルは偽りです。謝罪はしますが訂正はしません。あと準一級河川もスーパー二級河川もなかった。川の世界にタイトルマッチを増やせというテレビ局からの無理強いや、チャンピオンベルトのインフレーションは発生していません、いまのところ。

私が通っていた小学校の前の冴えない川も、どこかで結構大きくてやばい川とつながっていたんですね。だから一級だったんだ。

人も川も、第一印象で決めてはいけない。

どっかでやばいところとつながっているかもしれないから、ちゃんとその可能性を踏まえて評価すべきだ。

それが、この記事の骨子です。