分厚いA5ノートを求めて
ノートは、仕事もプライベートも、ずっとA5サイズを愛用している。 それも厚いやつがいい。リングノートではなくて綴じノート。希望はドット方眼、ふつうの方眼でも問題ない。ルーズリーフとはずっと前に違う道を歩き始めた。
そもそも、なぜA5ノートがいいのか。
取材しやすさではA5がベスト
このサイズに至るまでは、これまでの自分の仕事やプライベートにかなり踏み入ることになる、いやそれは嘘だ。プライベートか仕事かという点からすると、仕事からスタートしている。
新卒で入った会社では、ふつうのB5サイズのキャンパスノートを使っていた。裏表紙に自分の名前を書いて、先輩に「学生じゃないんだから」と鼻で笑われたのがまるで昨日のようだ。
そうではないノートを探し始めたのは、27歳で転職したあたりのことである。
インタビュー取材や、現場での取材を行うことが多くなった。あ、ちなみに職種は雑誌記者です。
インタビュー取材は、いろいろなところで行われる。会社の会議室のようなところで行われる場合は、何も筆記用具について工夫することはない。
ローテーブルでの取材ノート取りどうする問題
ただ、取材先によっては、ソファ+ローテーブルが用意された応接室で取材を行う場合もある。このとき、ノートに文字を書くにあたっては以下の選択を迫られる。
- 左手でノートを抱えて右手で筆記する
- ノートをローテーブルに置いて筆記する
やってみるとわかると思うが、あきらかに2はおかしなことになる。テーブルの天板は自分の膝より低い位置にあるから、ノートをそこに置いて筆記するにはかがみこまなければならず、目線が相手にいかなくなる。もしくは相手にずっと土下座している状態。必死になって取材相手の言葉をノートに書き留めている姿勢を、お茶を出しに来た取材先会社の社員が「土下座している」と勘違いして気を利かせてすぐに部屋を出ていったけれど、取材に夢中な自分は全く気が付かなかったことが2度や3度ではない。ゼロだ。
1の「左手でノートを持つ」場合、キャンパスノートのようなソフトな表紙のノートではうまく書けない。硬い背表紙のノートが向いている。また、ノートが大きすぎても書きづらいし、小さすぎるとたくさんめくる必要があって面倒だ。
A5はスタンディング、タイニーテーブル両対応
取材では小さなテーブルしか用意されていないこともある。ドトールのような駅前のコーヒーショップで話を聞くこともある。テーブルには双方が注文した飲み物が乗っている。B5のノートを広げておくスペースはない。B5だとそもそも立って書くには大きすぎるし、B6だとスペースが小さい。
自分の場合は、座ってじっくり話を聞くケースのほかに、立って話を聞ききながらメモを取るケースの両方が考えられたので、サイズ的にはA5がベストだった。新聞記者の囲み取材のように、立って話を聞きながらメモをしたりノートを取ったりするケースだと、手の中に収まるような手帳を使ったほうが小回りが効いていいのかもしれない。そういうシチュエーションがないわけではなかったが、決してメインにはならなかった。A5ならどのシチュエーションにも対応できた。
まず使ったのは、リングノートだ。螺旋状のリングで閉じてある。
折り返せばA5のスペースに収まる。表紙が硬いので、立って書くこともできる。これまでに出したような条件は、全部クリアできる。
ただ、使っているうちにリングノートに不満が出てきた。左ページのノド側(見開きの左右中央のページが綴じてある部分)に書きづらいのだ。テーブルやデスクに置いて使う場合も、リングが邪魔になってノド付近への筆記がしづらい。
そんなときに、一冊のノートに出会った。
モレスキンだ。