理想的なアップルパイの話
アップルパイが好きだ。
といっても何でもいいわけではなくて、ディテールには少々こだわりがある。
まずアップルパイ本体だが、表面にアプリコットジャムのコーティングがしてある方がよい。あまりたっぷりしてあると冷えたときに固くなってしまうので、ほどほどがよい。
そしてサーブされるときには、ホイップクリームが乗せてあって、横にバニラアイスクリームが1スクープ。ラズベリージャムから作ったソースなんかが掛けてあって、パウダーシュガーが振ってあれば完璧である。
食べていくとだんだんホイップクリームが溶けて、パイの中のフィリングと一体化していくところをスプーンですくって口に運ぶのは最高だ。アイスクリームのキリッとした甘さと、アップルパイのやさしい甘さの違いを比べながら食べ進めるのもうれしい。合わせて大きなマグカップでホットコーヒーを頂きましょうか。
それほどうるさい条件ではないと思うし、このアップルパイを嫌う人もいないと思うのだが、なかなかこういったスタイルでアップルパイを出す店は少ない。以前熱川にBBQポークリブを売り物にした店があって、そこのアップルパイがこんなスタイルでほぼ完璧だった。
ただ名前と住所を控えていなくて、場所も忘れてしまった。Googleに聞いても出てこない。あれは幻だったのかと最近思うようになってきた。
熱川に行く機会が今度あったら、ちょっと時間を作ってその辺を走り回って、自分の記憶の中にある景色を探しに行こうと思う。